住宅業界で20年以上仕事をしていると、たくさんの経営者の方とお会いします。
その中で印象に残っている話があります。
ある上場ビルダーの創業社長が、次の社長を誰にするかを考えていた時の話です。
私は勝手に、「営業成績が圧倒的な人なのかな」「カリスマ性のある人なのかな」と思っていました。
しかし、実際に後継者として選ばれたのは、とても謙虚な人でした。
その方は会議でも大声で自分の意見を押し通すタイプではありません。
現場の施工管理の話にも耳を傾け、設計担当の意見も聞き、営業担当の悩みも聞く。
そして何か成果が出た時も、
「みんなのおかげです」
と自然に言える人でした。
創業社長はこう言っていました。
「会社が大きくなるほど、自分一人でできることは少なくなる。だからこそ、人の話を聞ける人じゃないといけない。」
住宅会社は営業だけでは成り立ちません。
設計、施工管理、積算、アフターサービス、総務や経理など、多くの人が関わって初めて一棟の家が完成します。
社長になれば、なおさらです。
自分が一番優秀だと思っている人よりも、
「自分はまだまだだ」
と思いながら周囲の力を引き出せる人の方が、組織は成長するのかもしれません。
実際、その後継者の方は現場からの信頼も厚く、多くの社員から応援されていました。
住宅業界の採用をしていても感じます。
本当に優秀な人ほど、意外と謙虚です。
成果を自慢するよりも学び続ける。
人の話を聞く。
感謝を忘れない。
そんな姿勢があるからこそ、多くの人が力を貸したくなるのでしょう。
上場企業の創業社長が次の社長に選んだのが「一番目立つ人」ではなく、「一番謙虚な人」だったという話は、今でも私の中で強く印象に残っています。
組織が大きくなればなるほど、最後に人を動かすのは肩書きではなく、人柄なのかもしれません。
